所在地 | 福島市松川町 |
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価格 | 2000万円 |
土地面積 | 617.20㎡ |
建物面積 | 658.47㎡ |
地域には地域のそれぞれ伝統があり、その地域の新たな住人となる人は、その地において長く紡がれてきた歴史や伝統の新たな担い手として存在することになります。
これは決して古い慣習とか人間関係に追従するとかいうレベルの話ではありませんで(これはいくらでも変えることができる)、ヒトは決して点では存在できなくて、必ず歴史の線の上にしか存在しえないという観念的な話でございます。
こんなややこしい話を持ち出したのは、今回の物件がまたまた変わり種であるから。
福島市の南部、松川町という古い宿場町にある、ご自宅兼「旅館」が今回の物件。
江戸時代後期から、当地で旅籠屋(はたごや)を営んでこられた当家ですが、現在の大将(オーナーさん)は、なんと7代目!!
ちなみに「旅籠屋(はたごや)」とは、江戸時代に、旅人を宿泊させ、食事を提供することを業とした日本の家のこと。まさに自宅兼旅館こそ、昔ながらの「旅籠(はたご)」スタイルといえるでしょう。
米沢街道、相馬街道、奥州街道という東北主要街道の交流点であった当地は、当時はさぞ賑やかったことでしょう。しかし、全国の旧街道が主要な交通手段から外れて衰退してきたとおり、当地もご多分に漏れずの状態ではありますが、それでもこの松川町はところどころに、歴史を見守ってきた矜持を感じさせてくれます。
今回の物件ですが、建物自体は綺麗に建替え、改装され、その歴史を感じることはあまりできないのが残念というべきかどうかですが、その分、現実な使い勝手としては安心できます。
昔ながらの和室の客室が8-10室。そして圧巻の約32坪の大広間。そしてご自宅部分としてご利用されているのが2-3部屋。ご自宅部分と共用部分が一体化している面もありますが、それは改造でいくらでも調整可能。
今回のご提案は、どなたかこの地に移住し、自宅として使いながら、当地伝統の旅籠(はたご)を守っていただけないか、ということです。
現在、高齢の大将と奥様が営まれている旅館業としては、お客様は近隣の企業や工場に出張に来られる方々の宿場としてのご利用が中心。あと、1F大広間は地域で大変貴重な存在であり、地元の企業や団体、住民の法要や会合ニーズを受け止めておられます。
それはそれとして、今回、改めて旅籠(はたご)の原点に立ち返って考えてみました。
江戸当時、武士や一般庶民の泊まり客で賑わっているその風景を想像したとき、旅籠(はたご)の提供する価値の本質は、「賑わいの場」ではないかと思うわけです。今の言葉に言い換えると、「コミュニティ」ともいえるでしょうか。
地方におけるコミュニティの創出は、地方創生の中でも大変重要なキーワードとなっております。こちらの物件を活用し、従来通り、地元の企業や個人が使える宿場や宴会場所を提供するに加え、
・SNSなどを活用してバックパッカー(まさに昔の旅人!)や流れ旅の旅行者を呼び込み、地元住民との触れ合いの場を作ったり、(バックパッカー的な旅行者は、地元住人との交流を旅の楽しみとしていますから)
・地域では貴重な大広間では、曜日ごとに違ったイベントを企画して(カラオケ大会や将棋やヨガや講演会など?)、カルチャーセンター的な地元住民たちの賑わいを作り出したり、
・広い厨房を使って、料理教室を開催したり、レンタルキッチンとして貸し出したり、またそこで作った食事を、地元住人にふるまったり、
・学童保育やシニアデイケア事業者と連携して、シニアとキッズのコミュニティを創出したり
などなど、いくらでもアイデアがでてくるのではないでしょうか。特別な資格もスキルも必要ありません。
事業物件として考えたとき、投資回収の面から見て今回の価格は非常にお買い得と考えています。また広大な自宅と考えると更にお得(笑)!?
人の密集するトカイでの生活に、一抹の疑問が拭いきれない時代となりました。
地方に移住すると同時に、旅籠としての伝統を、新たなコミュニティの場として継承し発展させていく、そんな素敵な人生に挑戦し、楽しんでいただきたい、そんな思いで今回の物件をご紹介しております。
(なお、あかべこ不動産は、唯一の経営コンサルタントの国家資格である、中小企業診断士の団体、「一般社団法人福島県中小企業診断協会」(http://www.f-smeca.com/)と連携し、地方に移住し、新たに開業を志す方々の事業支援を積極的に行っております。
今回のケースでも、資金調達の方法、事業計画の書き方、市場性の調査、許認可の取得など、実際に開業するために必要な専門的なアドバイスが可能ですので、是非ご相談ください。)